「座右の銘」を木に刻むことをお勧めするために、四字熟語を中心とした「刻語」の自作例を掲載しているサイトです。

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      言葉と制作例 (目次)

         5. ビジネス

      徳業十訓




ビジネスを漕いでいく上で心すべき教訓を四字熟語で10個選び、一覧したもの。当然人によって異なるが、1. 先義後利のみは誰しもが選に入れてもらいたいものである。

安岡正篤
事業は徳業なり
事業というのは、要するに人である。したがって、本当の事業は、事業でなくて「徳業」なのだ。会社の幹部になって事業を経営する人の人格、その気分、思想などが自然に集まって一つの社風というものをつくる。

徳業
事業でも、力づくでやっておると、いずれ競争になって困難になる。事業が人間性から滲み出た、徳の力の現れであれば、これを徳業という。事業家は進んで徳業家にならないといけない。また、その人の徳が、古に学び、歴史に通じ、いわゆる道に則っておれば、これを道業という。東洋人は事業だけでは満足しない。徳業にならないと満足しない。現代の悩みは、事業が徳業にならないで、利業・機業になってゆくことだ。

1. 先義後利
2. 積小為大
3. 百術一誠
4. 凡事徹底
5. 顧客起点
6. 実践躬行
7. 有備無患
8. 量入制出
9. 多謀善断
10.脚下照顧

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1. 先義後利
孫正義
最も重要なのは1番目が志と理念、2番目がビジョン、3番目が戦略です。

安岡正篤
利の害
史記の中に「利は智をして昏(くら)からしむ」と書いている。人間は利益ばかり追求していると、頭が悪くなるというのである。物事の理がわからなくなって、思いがけない恨みを招いたりする。
論語に「利を以って行えば怨み多し」と出ているが、経済というものは本来、矛盾衝突を内包するから、利害による怨みが出やすい。

信念と気節
世をあげて利を競うに忙しい。 しかし各自の利害は、いつか、どこかで、必ず衝突する。 これを解決するものはやはり正義である。 正義はどうして決まるか。 利害関係の外に立つ、良心と達識とを持つ人々の、明察と公論による。 正義は往々自己の不利に見えるところが少なくない。 しかし結局、正義が真の利益である。 自ら信ずる正義の為に、不利はおろか、時には死をも辞せぬことが、人間の貴い道徳であり、権威である。 この信念と気節とが、一切の混迷を救って、国民の新運命を開く鍵である。 この信念と気節ある人々が国民の指導者に輩出するほか、日本を救う道はない。

礼と義
総て生きとし生けるものは皆体を具えている。 すなわち全体的存在なのであって、部分を雑然と集めたものではない。無数の部分から成り立っている全体である。 この全体と部分、部分と部分との間柄が美しく調和している状態を「礼」という。私共の内臓の諸器官、胃とか腸とか、肺心臓というものが相依り相待って間然するところのない健康は、我々の体内での礼である。 そこで、自分にしろ、家にしろ、国家にせよ、全体を構成する部分がその分本来の立場に於いて、或いは他の部分に対して、如何に為すべきやを問い出退することを「義」という。義は宜なりといわれる所以である。

松下幸之助
企業は社会の公器
一般に、企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業経営を行なう上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益が大切になってくるのである。  
そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。だから、たとえ個人の企業であろうと、私の立場で考えるのでなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思うのである。

後藤静香
着眼
若人の心をみがけ/村が栄える/自己の心を養え/家が治まる/得意をだいじにせよ/店が繁昌する/損をする気で働け/ふしぎにもうかる/愛することだけを考えよ/愛されすぎる仕合せをさとる

吉田松陰
○夫れ重きを以て任と為す者、才を以て恃(たのみ)と為すに足らず。知を以て 恃と為すに足らず。必ずや志を以て気を率い、黽勉事(びんべんこと)に従いて 而る後可なり
■重要な仕事をする者は、才能を頼りとするようではだめである。知識を頼りと するのもよくない。必ず、何のためにやるかという志を考え、気持ちを奮い立たせ、仕事に励むことで達成できるのである。

○君子は何事に臨みても理(り)に合うか合わぬかと考えて、然る後(のち)是れを行う。小人は何事に臨みても利(り)になるかならぬかと考えて、然る後是れを行う。故に君子となること難(かた)からず。 
■君子は、どのような事態に際しても、道理に合っているかどうかを考え、その後で行動する。小人は、どのような事態に際しても、利益になるかどうかを考えて、その後で行動する。ゆえに、君子になることは難しいことではない。


4. 凡事徹底


7. 有備無患
松下幸之助
先見性を養う
先見性を持つことは指導者にとってきわめて大切なことだ。先見性を持てない人は指導者としての資格がないといってもいいほどである。時代というものは刻々と移り変わっていく。きのう是とされたことも、きょうは時代遅れだということも少なくない。  
だから、その時代の移りゆく方向を見きわめ、変わっていく姿を予見しつつ、それに対応する手を打っていくことによって、はじめて国家の安泰もあり、企業の発展もある。 一つの事態に直面して、あわててそれに対する方策を考えるというようなことでは、物事は決してうまくいかない。心して先見性を養いたいものである。

二宮尊徳
夜話57
予先年印旛沼(いんばぬま)、掘割見分の命を蒙(こうむ)りし時、何様の変動に遭遇しても、決して失敗なき様に工夫せり。(中略)予が異変ある事を前に定めたるは、異変を恐れず、異変に躓(つまず)かざるの仕法なり。是れ大業をなすの秘事なり。

夜話13
世の中に事なしといへども、変なき事あたはず、是れ恐るべきの第一なり。変ありといへども、是れを補ふの道あれば、変なきが如し。変ありて是れを補ふ事あたはざれば大変に至る。古語に三年の貯蓄なければ、国にあらず。(中略)家も又然り。
同上
人は云ふ、わが教へ、倹約を専らにすと。倹約を専らとするにあらず。変に備へんが為なり。人は云ふ、わが道、積財を勤むと。積財を勤むるにあらず、世を救ひ世を開かんが為なり。

夜話127
豊かさと貧しさは、元々遠く隔たっているものではなく、僅かの隔たりでしかない。その本源は、ただ一つの心得にあるのである。貧者は、昨日のために今日働き、昨年のために今年働く。そのために、いつも苦しんでいて、働きの効果が出ない。富者は、明日のために今日働き、来年の為に今年働くことから、余裕をもって仕事に臨むことが出来るのだ、することが殆どうまくいく。ところが、世間一般の人は、今日飲む酒が無い時には借りて呑み、今日食べる米が無い時にはまた借りて食べる。これが貧乏する原因である。

夜話194
人の世の災害では、凶作による飢饉よりも甚だしい被害を与えるものは無い。昔から、凶作、飢饉は六十年間には、必ず一度はあると言い伝えられてきている。只、飢饉だけではなく、大洪水、大風、大地震、その他の非常災害も、六十年に一度くらいは、必ずある。たとえ、無い時でも、必ずあるものと心に決めて、有志で申し合わせて、金や穀類を蓄えておくことである。穀類を貯蔵するには、籾と稗を一番に貯蔵することである。水田の多い村では、籾を備蓄し、畑の多い村では、稗を備蓄しておくことである。

吉田松陰
○敬(けい)は乃ち備なり。武士道にて是れを覚悟と言う。論語に「門を出でては大賓(たいひん)を見るが如し」と云う。是れ敬を説くなり。呉子に「門を出(い)ずるより敵を見るが如くす」と云う。是れ備(そなえ)を説くなり。竝(なら)びに皆覚悟の道なり。敬・備は怠(たい)の反対にして、怠は即ち油断なり。武士たる者は行住座臥(ぎょうじゅうざが)常に覚悟ありて油断なき如くすべしとなり。
■敬うとは備えることである。武士道ではこれを覚悟という。論語に「家の門を出てから他人と接するときには、高貴の客人の時のように敬いなさい」という。これが敬を説いている。呉子では「門を出たときから、敵を見るようにしなさい」という。これは備えを説いている。共に覚悟のあり方である。敬うことと備えることは怠ることの反対であり、怠るとは油断である。武士というものは、日頃から常に覚悟をし、油断のないようにすべきとのことである。
  *呉子---孫子と並び称される兵法書

菜根譚
前集8項
●天地寂然不動、而気機無息少停。日月昼夜奔馳、而貞明万古不易。故君子、闔棊v有喫緊的心思、忙処要有悠闢I趣味。
○天地は寂然(せきぜん)として動かずして、而(しか)も気機は息(や)むことなく、停まること少(まれ)なり。日月(にちげつ)は昼夜に奔馳(ほんち)して、而(しか)も貞明(ていめい)は万古に易(かわ)らず。故に君子は、闔栫iかんじ)に喫緊(きつきん)の心思うるを要し、忙処(ぼうしょ)に悠閨iゆうかん)の趣味(おもむき)あるを要す。
■天地はひっそりとして動かないように見えるが、働きを止めることはなく、太陽や月の明るさは永遠に変らない。平穏無事なときは万一の場合に備えることを忘れず、いったん有事の際には悠々たる態度で対処するよう心がけなければならない。

前集26項
●飽後思味、則濃淡之境都消、色後思婬、則男女之見尽絶。故人常以事後之悔悟、破臨事之癡迷、則性定而動無不正。
○飽後(ほうご)、味を思えば、則(すなわ)ち濃淡の境(きょう)都(すべ)て消え、色後、婬(いん)を思えば、男女の見尽(けん・ことごと)く絶ゆ。故(ゆえ)に人つねに事後の悔悟(かいご)をもって、臨事の癡迷(ちめい)を破らば、則(すなわ)ち性(せい)定まりて、動くこと正しからざるはなし。
■十分に腹を満たした後に、味を考えると、濃い薄いなどなくなり、セックスの後に欲情を考えると、男だ女だという考えは消えてしまう。つまり、事後に起きる「後悔」の本質を知り、無駄な時間の存在を無くすように考慮して生きたいものです。

前集68項
●天之機緘不測。抑而伸、伸而抑、皆是播弄英雄、顛倒豪傑処。君子只是逆来順受、居安思危。天亦無所用其伎倆矣。
○天の機緘(きかん)は測(はか)られず。抑(おさ)えて伸(の)べ、伸(の)べては抑(おさ)え、皆(みな)是れ英雄(えいゆう)を播弄(ばろう)し、豪傑(ごうけつ)を顛倒(てんとう)する処(ところ)なり。君子は只だ是れ、逆に来たれば順(じゅん)に受け、安(やす)きに居りて危(あやう)きを思うのみ。天も亦(また)其の伎倆(ぎりょう)を用(もら)うる所無し。
■天のカラクリは予想を超える。押さえつけたかと思えば伸ばし、伸ばしたかと思えば抑え、英雄を翻弄し、豪傑の足をすくって転ばしてしまう。しかし、上に立つ賢明な人物は、向かい風が吹いた時は、追い風と受け止め、安全な時に危機を意識する。よって、天でも、そのような者を妨害することはできない。

前集86項
●閑中不放過、忙処有受用。静中不落空、動処有受用。暗中不欺隠、明処有受用。
○閑中(かんちゅう)に放過(ほうか)せざれば、忙処(ぼうしょ)に受用(じゅよう)有り。静中(せいちゅう)に落空(らっくう)せざれば、動処(どうしょ)に受用有り。暗中(あんちゅう)に欺隠(ぎいん)せざれば、明処(めいしょ)に受用有り。
■閑な時でも散漫に過ごさなければ、忙しい時でも、それが役立つ。静かな時でも漫然と過ごさなければ、事ある時でも、それが役立つ。誰も見ていない時でも悪をしなければ、人前でも、それが役立つ。つまり、日ごろから陰日向無く淡々と暮らしていれば、事がある時でも苦労はないということ。

前集185項
●処富貴之地、要知貧賤的痛癢、当少壮之時、須念衰老的辛酸。
○富貴(ふき)の地(ち)に処(お)りては、貧賤(ひんせん)の痛癢(つうよう)を知(し)らんことを要(よう)し、少壮(しょうそう)の時(とき)に当(あた)りては、須(すべか)らく衰老(すいろう)の辛酸(しんさん)を念(おも)うべし。
■人間は豊かな時には貧乏な人の気持ちを理解し、若く元気な時には年老いて衰えた人の辛さを思いやること。備えよ常に、という教え。
 

      孫の二乗の法則




孫正義の25文字からなる事業哲学をまとめたもの。
孫正義のビジネスについて、国内では毀誉褒貶相半ばの感がある。毀・貶については、曰く震災を儲けの好機に利用し、日本国という視点が欠落している、曰く政商、政治を商売に利用して個人の儲けを得る為に政治・政治家を利用している、等の批判がある。
誉・褒について、ソフトバンクを率いて、日本に珍しい先見性と戦略を兼ね備えたビジネスを推進し、何はともあれ、大きく成功させた経済人であることは認めざるを得ない。その行動力・決断力・戦略・商哲学について日本人は率直に学ぶべきものが多いのも事実だ。
この「孫の二乗の法則」は、孫が20代の頃に考案し、以来常に人生・経営の指針としてきた哲学といえる。兵法書『孫子』からピックアップした14文字に、独自に考えた11文字を組み合わせた「25文字」の文字盤で表される。孫子の“孫”と自らの“孫”を“掛け合わせる”という意味から、“孫の二乗”の法則と命名したという。

一流攻守群 一番になれるものを徹底的に探す
道天地将法 百の知識より一の信念
智信仁勇厳 仕事で自分の器を大きくする 
頂情略七闘 ビジョン実現への最短距離を見抜く
風林火山海 状況に応じて変幻自在に戦う
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一:一番に徹底的にこだわる/流:時代の流れを見極める/攻:あらゆる攻撃力を鍛える/守:あらゆるリスクに備える/群:単独でなく集団で闘う
道:志を立てる/天:天の時を得る/地:地の利を得る/将:優れた部下を集める/法:継続して勝つ仕組みをつくる
智:あらゆる知的能力を磨く/信:信頼に値する人物になる/仁:人々の幸せのために働く/勇:闘う勇気と退去する勇気を併せ持つ/厳:時として部下に対し鬼になる
頂:ビジョンを鮮明に思い描く/情:情報を可能な限り集める/略:戦略を死ぬほど考え抜く/七:七割の勝算を見極める/闘:勝率七割とみたら果敢に闘う
風:動く時は風のように素速く/林:交渉は水面下で静かに極秘に/火:攻撃は火のように激しく/山:ピンチでも決して動じない/海:勝った相手を包み込む
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「七」:七割の勝算を見極める
孫は「七」の説明に、トカゲのしっぽ切りを例にする。トカゲのシッポは下の3割が切れても、また生える。ただ、それ以上の4割・5割に及ぶ失敗をしたら、致命傷になりかねない、と。では、なぜ7割で8割や9割ではないか。それは、8割や9割成功する見通しを立てようとすると、予測や分析に時間がかかり、変化の激しい時代に競合他社に先を越されてしまうから。早すぎても遅すぎてもダメ。理想は半歩先を行く。
新しい事業を行う際に、万が一の損失規模を算出する。それが、本体の事業を3割未満であれば挑戦する。3割以上であれば慎重にことを運ぶ。
孫は織田信長を尊敬しているそうだ。信長が奇襲戦法を行ったのは、今川義元との桶狭間の戦いのみ。この戦いは、敗れれば織田家の滅亡を意味した。つまり、損失が3割では済まず、8割・9割の損失を意味した。ソフトバンクがこのような投資を行ったのは、たった1度。ボーダーフォンの買収で2兆円を投資したときだけ。信長にしても、それ以外は極めて王道を行く戦い方をしている。つまり、見積もり最大損失を3割未満とみた時、GOしている。これが7割の感覚、切れてもOKなトカゲのシッポ。これは意思決定の際の参考になるかも知れない。「万一失敗した時、3割未満の損失で収まるだろうか?」と。

自分は「仁」の文字が真ん中に位置する、ということもあって、この二十五字の文字盤が気に入った。ただ、配列順については諸説あってこれと異なる版(※)があることも記しておく。

※上から順に:「道天地将法」 「頂情略七闘」 「一流攻守群」 「智信仁勇厳」 「風林火山海」

 







 







 







 






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