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   ホーム > 言葉と制作例 > 四字熟語 91-1/2 【蓋棺事定・絶対肯定・人間万歳・柳緑花紅・行雲流水】
 
     「言葉と制作例」 四字熟語
   蓋棺事定(がいかんじてい)





蓋棺事定 がいかんじてい
生前の評価は当てにならない。一生が終わり、棺の蓋をして初めてその人の真の値打ちが決まるということ。

生前の評価はいろいろな思惑があって正当ではないと言う意味にも使われ、棺(カン)を蓋(おお)いて事(こと)定(さだ)まる、と訓読みされます。
出典は盛唐の詩人杜甫(A.D.712〜A.D.770)の「君見ずや、蘇?(ケイ)に簡するの詩」です。
    丈夫蓋棺事始定     丈夫は棺を蓋いて事始めて定まる
    君今幸未成老翁     君今幸いに未だ老翁と成らず
    何恨憔悴在山中     何ぞ恨まん憔悴して山中に在ることを
    深山窮谷不可処     深山窮谷には処る可からず
    
【意訳】 男子死して定まる生前     君まだ若き丈夫(ますらお)で
     何の恨みで籠(こも)り在る  君、山中に処るなかれ。

詩の意味は、「男子は死んで始めて評価が定まるものだ。君はまだ若い、不遇だからといって、山奥に籠ったりしてはいけない」ということです。 
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安岡正篤
死後に残るもの
一人物の死後に残り、思い出となるのは地位でも財産でも名誉でもない。こんな人だった。こういう嬉しい所のあった人だというその人自身、言い換えればその人の心・精神・言動である。このことが、人間とは何かという問いの真実の答になる。

森 信三
いかに凡人といえども、その生涯を深い真実に生きたなら、必ずやその死後、何らかの意味でその余韻を残している。

世の中ほど正直なものはない。ほんとうの真実というものは、必ずいつかは輝き出すものだと思うのです。ただそれがいつ現れ出すか、三年、五年にして現れるか、それとも十年、二十年たって初めて輝き出すか、それとも生前において輝くか、ないしは死後に至って初めて輝くかの相違があるだけです。人間も自分の肉体が白骨と化し去った後、せめて多少でも生前の真実の余光の輝き出すことを念じるくらいでなければ、現在眼前の一言一行についても、真に自己を磨こうという気持ちにはなりにくいものかと思うのです。

菜根譚 
前集1項
●棲守道徳者、寂寞一時。依阿権勢者、凄凉万古。達人観物外之物、思身後之身。寧受一時之寂寞、毋取万古之凄凉。
○道徳に棲守(せいしゅ)する者は、寂寞たること一時。権勢に依阿する者は、凄凉たること万古。達人は物外の物を観、身後の身を思う。むしろ一時の寂寞を受くるも、万古の凄凉を取ることなかれ。
■道徳を守る者は、心寂しい気分となっても、それはその場限りのことで、偉い人にへつらいう者は、永遠に心寂しいものです。ですから、正しい生き方をしている達人は、真実を見抜く目で物事を観て、未来の価値を考え、一時の寂しさや悲しさに流されず、一生を深く考えて淡々と生きるべきなのです。つまり、悔いなく幸せに死にたいなら、日々誠実に生きなさいということ。
 

    絶対肯定(ぜったいこうてい)















森信三
絶対必然
いやしくもわが身上に起こる一切の事柄は、そのすべてが、このわたくしにとっては絶対必然であるとともに、また実に絶対最善なのであります。 この絶対必然即絶対最善とは、わが身に降りかかって、逃れようのない出来事の一切も、神の眼からは、このわたくしにとって絶対最善なるゆえに下したもうたものゆえ、回避しようなどと思わないで、それらのすべてをお受けしなければならぬというわけです。

いやしくもわが身の上に起こる事柄は、そのすべてが、この私にとって絶対必然であると共に、最善なはずだ。 それ故われわれは、それに対して一切これを拒まず、一切これを却けず、素直にその一切を受け入れて、そこに隠されている神の意志を読み取らねばならぬわけです。したがってそれはまた、自己に与えられた全運命を感謝して受け取って、天を恨まず人を咎めず、否、恨んだり咎めないばかりか、楽天知命、すなわち天命を信ずるが故に、天命を楽しむという境涯です。

松下幸之助
何事も結構  
私は運命というものは不思議なものだと思います。人はみなそれぞれ志を立てるのですが、なかなか思い通りにいかないし、実現しにくい。希望とは逆の道が自分にピッタリ合って成功する場合もあるのです。
だから私は、あまり一つのことをくよくよ気にしない方がいいのではないかと思います。世の中で自分が分かっているのは一%ほどで、あとは暗中模索。はじめから何も分からないと思えば気も楽でしょう。
とにかく人間にはさまざまな姿があっていいと思うのです。恵まれた生活も結構だし、恵まれない暮らしも結構、何事も結構という気持が大切だと思います。

後藤静香
自力目さむ
わが意思にて/わが心臓を動かし得ず/わが眼にて/わが眼底の神秘を見得ず/いのちを与えたるもの/刻々のわれをまもる/絶大無限の他力を悟るとき/自力はじめて目さむ

どっちもいい
水を見たときは/水の美しさを感じ/花を見たときは/花の美しさに気をとられるがいい/水には水、花には花の美があり/また悦びがある/春もいいが冬もいい/春は春をたのしみ/冬は冬をたのしむ

不滅
世の中に、なくなるという事はない/生命のあるものは必ず実現する/人間のまごころから現れる/汗が、涙が、祈りが/無意味に消えるものならば/どうして、厳然(げんぜん)たる宇宙の調和が/成りたつか/今朝(けさ)も太陽が東から昇った

これ常道
晴れたる日あり/あらし吹く日あり/人生もとより無常/転変順逆/これ常道/憂うるの要なく/恐るるの要なし/赤誠一貫/天命に従う

 

   人間万歳(にんげんばんざい)




人間生きてりゃ何とかなる。細かいことでクヨクヨしない。悲しいことはあるが人間に生まれてきただけで幸せだ。人生礼賛。


後藤静香
尊重
私には私に限る使命がある/それだから/私は私を尊重する/あなたにはあなたに限る使命がある/それだから/私はあなたを尊重する/万人に/皆それぞれの使命がある/それだから/私はたれでも尊重する

有縁の悦び
苦しめ/泣け/悲しめ/浅薄(せんぱく)なる楽観よりさめ/むなしき笑いを悲しみにかえて/深刻なる人生の寂寞(せきばく)に泣け/深き淋しさを静かに抱いて/すべての人を見つむるとき/同じ現世(げんせ)に生くる/有縁(うえん)の悦びに涙ぐむ
 

   柳緑花紅(りゅうりょくかこう)



柳緑花紅 りゅうりょくかこう
柳は新緑、花はくれないに咲き誇り、春の自然はまことに美しい。自然のまま、ありのままただそれだけが眼前に展開している。人工の加わらない、本来あるがままの姿をさらけだしていることを、皮相な価値観を排した真面目と歌い、悟りを開いた状態を暗示する。
出典は蘇軾「東坡禅喜集」。宋代の代表詩人の詩の一節。何を飾ることもなく、ただあるがままで美しく、その光景が永遠の真理を語っていることに感動した。
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後藤静香
美を感ずる心
腹だたしきとき/花は見えず/人を憎むとき/鳥の声はきこえず/心澄まざれば/蓮の葉の月は見えず/美を美と感ずるは/神にふれたる心なり

菜根譚
後集7項
●鳥語虫声、総是伝心之訣。花英草色、無非見道之文。学者、要天機清徹、胸次玲瓏、触物皆有会心処。
○鳥語虫声(ちょうごちゅうせい)も、総(すべ)て是れ伝心(でんしん)の訣(けつ)なり。花英草色(かえいそうしょく)も、見道(けんどう)の文に非ざるは無し。学ぶ者は、天機清徹(てんきせいてつ)、胸次玲瓏(きょうじれいろう)にして、物に触れ、皆、会心の処(ところ)有らんことを要す。
■鳥のさえずりや虫の音は、教外別伝・不立文字・直指人心して見性成仏する真理そのものである。花びら草葉の色は、真理を伝える文字無き表現以外の何ものでもない。だから学問を志す者は、生れながらにして備わっている純粋無垢な本心を、水晶のように透き通った心中にあることを気付き、現世で見聞きする全ては真理そのものであるということを心得ておかなければならない。

後集64項
●林間松韻、石上泉声、静裡聴来、識天地自然鳴佩。草際煙光、水心雲影、閑中観去、見乾坤最上文章。
○林間の松韻(しょういん)、石上の泉声(せんせい)、静裡(せいり)に聴き来たって、天地自然の鳴佩(めいはい)を識る。草際(そうさい)の煙光、水心(すいしん)の雲影、閑中(かんちゅう)に観(み)去って、乾坤最上(けんこんさいじょう)の文章なるを見る。
■林から聞こえる松風の響きや岩をの間を流れる泉の音を静かに聞いていると、それが大自然が奏でる妙なる音楽であることに気付く。野原の果てに棚引く霞や清らかな水面に映る雲の姿は、ゆったりした気持ちで眺めていれば、大自然が描き出す最上の絵画であることに気付く。心の余裕が美しさを発見でき、その美しさは本来の心を呼び覚ましてくれるということ。
 


   行雲流水(こううんりゅうすい)




行雲流水 こううんりゅうすい
空を行く雲と流れる水と。自然のままに行動することや物事にとらわれない平静な心境のたとえ。

坂村真民
三願
鳥のように/一途に 飛んでゆこう/水のように/素直に/流れてゆこう/雲のように/身軽に/生きてゆこう

無心無碍(げ)
雲の/あのかたち/無心なるもののうつくしさよ/水の/あのひびき/無碍なるもののこころよさよ

安岡正篤
風流
人間は練れば練る程詩的になる。風流とは風が空を吹く如く、何等為にする所なき自ずからな姿を謂う。

松下幸之助
人の世は雲の流れの如し  
青い空に、ゆったりと白い雲が流れていく。常日ごろ、あわただしさのままに、意識もしなかった雲の流れである。速くおそく、大きく小さく、白く淡く、高く低く、ひとときも同じ姿を保ってはいない。崩れるが如く崩れざるが如く、一瞬一瞬その形を変えて、青い空の中ほどを、さまざまに流れてゆく。
これはまさに、人の心、人のさだめに似ている。人の心は日に日に変わっていく。そして、人の境遇もまた、きのうときょうは同じではないのである。喜びもよし、悲しみもまたよし、人の世は雲の流れの如し。そう思い定めれば、そこにまた人生の妙味も味わえるのではないだろうか。
 



主な引用の出典
著 作 者 書 名 出 版 社  
坂村真民 『坂村真民一日一言』 人生の詩、一念の詩 致知出版社
安岡正篤 『安岡正篤一日一言』 心を養い、生を養う 致知出版社
森信三 『修身教授録 一日一言』 
『森信三・魂の言葉』 二度とない人生を生き抜くための365話 
致知出版社
PHP研究所
松下幸之助 『松下幸之助「一日一話」』 仕事の知恵 人生の知恵 PHP研究所
後藤静香 『権威』 珠玉の言葉があなたを変える 善本社
中村天風 『中村天風一日一話』 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話 財団法人天風会
吉田松陰 『吉田松陰一日一言』 魂を鼓舞する感奮語録 致知出版社
二宮尊徳 『二宮尊徳一日一言』 心を耕し、生を拓く 致知出版社
佐藤一斎 『佐藤一斎一日一言』 「言志録」を読む 致知出版社
洪自誠 『菜根譚』


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