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   ホーム > 言葉と制作例 > 四字熟語 41-2/2 【多謀善断・凡事徹底・量入制出・顧客起点・先義後利】
 
     「言葉と制作例」 四字熟語
   寛仁大度(かんじんたいど)





寛大で慈悲深く、度量の大きいこと。
「寛仁」は、心が広く思いやりがあること、「大度」は、些細なことにはこだわらないことの意。

坂村真民
くちなしの花
責めるな/責めるな/人を責めるのが/一番いかんと/朝夕/わたしに告げる/くちなしの花

松下幸之助
美と醜  
私の宅の近くに水のきれいな池がある。水面に周囲の樹々の姿を映し、まことに風情がある。ところがこの池がひところ雨が降らなくて、底の大半を露出してしまうまでになった。映すべき何物もなく醜い底を露呈するばかりである。美の反面には醜がある――そんな思いである。 お互い人間も、これと同じことではなかろうか。美と醜とが相表裏しているところに、人間の真実がある。とすれば、美の面のみにとらわれて、その反面の醜を責めるに急なのは、人間の真実というものを知らないものである。暖かい寛容の心を持って接し合うことが、お互いに明るく暮らすための、一番大事なことではなかろうか。

後藤静香
寛容
何の権威で誰を責むるか/責むる言葉を自己に当てはめよ/自分に許されたい事があるならば/誰をも心から許すがよい/人のあやまちを思うとき/その一切がわたしにある/どうして誰を責められよう/「許す」という言葉さえ/人間としてはごうまんすぎる/いかりを含んで責むるとき/その罪、死に値いする

 

    凡事徹底(ぼんじてってい)





当たり前のことを当たり前にする。ごくごく平凡に思えることを、欠かさ ず継続すること。

松下幸之助
雨が降れば傘をさす
経営者たるものは、すべて天地自然の理法に基づいて行動しなければならない。これは何もむずかしいことを言っているのではない。たとえば雨が降ったら傘をさすということである。 つまり集金をせねばならぬところには集金に行く、売れないときには無理に売ろうとせずに休む、また売れるようになれば作る、というように大勢に順応するということである。
集金すべきところから集金もせずに、新たに資金を借りようとする人があるようだが、金を借りるのならば、まず集金に全力を尽す。それでもなお資金がいるときにはじめて借りる、という至極簡単な当たり前のことを、どれだけ的確に行なうかが非常に大事なのである。

後藤静香
凡人礼賛
凡人米をつくり/凡人家をたて/凡人衣をおり/凡人人を育てまた教ゆ/誠実なる凡人たるべし/勤勉なる凡人たるべし/円満なる凡人たるべし/凡人の大成は/名を望む英雄主義の比に非ず

佐藤一斎
真に大志ある者は、よく小物を勤め、真に遠慮ある者は、細事をゆるがせにせず。

菜根譚
前集7項
●?肥辛甘非真味。真味只是淡。神奇卓異非至人。至人只是常。
○?肥辛甘(じょうひひんかん)は真味にあらず。真味は只だこれ淡なり。神奇卓異は至人(しじん)にあらず。至人はただ是れ常なり。
■濃い酒や脂のよくのった肉、辛すぎるもの、甘すぎるものは、本物の美味しさではない。本物の味は淡白なものである。同様に、人並みなずれた天才は道を修める人間ではなく、道を修める人間は平凡な人間である。無事是貴人ということ。

前集181項
●陰謀怪習、異行奇能、倶是渉世的禍胎。只一個庸徳庸行、便可以完混沌而召和平。
○陰謀怪習(いんぼうかいしゅう)、異行奇能(いこうきのう)は、倶(とも)に是れ世を渉(わた)る禍胎(かたい)なり。只一個の庸徳庸行(ようとくようとう)のみ、便(すなわ)ち以て混沌(こんとん)を完し、和平を召くべし。
■邪悪な陰謀や奇異な能力は、ともに世の中における災いの原因である。平凡で道徳的な行為こそこの世で唯一、人間、誰にも備わっている本来の心を実現し、穏やかな生活を招くことができる。つまり、下心が見え隠れする、策謀、神がかりな占い、超能力などに見せかけている手品など社会悪そのもので、一人一人、本来は例外なく備わっている極めて平凡で道徳的な「善心」こそが、社会を善人に溢れた平和を建設できるということ。
 

   量入制出(りょうにゅうせいしゅつ)



入るを量りて、出づるを制す。収入を算出してから、支出を決定し、調節すること。 健全財政の心構えとされる

収入を算出してから、出費を決めること。健全な財政の原則を述べたもの。

二宮尊徳
夜話17
米は多く蔵に積んで少しずつ炊き、薪は多く小屋に積んで炊くときには少なく済むようにし、衣服は着られるように誂えておき、なるべく着ないでおくことこそ、家を富ませる極意である。これは、国家経済の元にも通じる。結果として天下を富ませることは、このことを除いては実現できない。

夜話128
基本に基づいて、入るを計りて天分を定めたならば、音信贈答等の交際も、義理も礼儀も、総てその内で賄うべきである。もし、それが出来ないならば、総て止めることである。世の中には、これを「けち」と言う者もいる。しかし、そう言うのは、その者の見誤りであり気にかけることは無い。なぜならば、それ以外に収入の道が無ければ、義理も交際も出来ないのだから、しないのが礼であり義である。
 

   顧客起点(こきゃくきてん)


顧客側から企業を見ることで、企業が顧客に対して取るべきやり方を経営の理念とし実践に生かすこと

松下幸之助
ありがたいお得意さん  
お得意さんの中には、つくったものを持っていくと「これはなかなか苦心してつくってある。よくできている」とこちらが嬉しくなるようなことを言って買ってくださる非常にいいお得意さんもあれば、逆に「こんなものはダメだ。値も高いし、できもよくない。よそのはもっといい」と持って帰れと言わんばかりのお得意さんもあります。
そのときにどちらがありがたいかということです。ほめて買ってくだされば、それが一番いいけれど、そんないいお得意さんばかりでもかえって具合が悪い。世の中を甘く見、勉強しないようになるからです。厳しいお得意さんも、またありがたいお得意さんと言えるでしょう。

声をかけるサービス  
商売をしている限り、いつの時代でもサービスは大事ですが、中でも特に故障や不満のないときのサービスということが大事です。だんだん暑くなってきて、扇風機がそろそろ要るようになる。そんなとき、ちょっと立ち寄って“去年の扇風機の調子はどうですか”と声をかける。また“お納めした品物の具合はどうでしょう”と聞いてみる。いわば“声のサービス”です。これは全くの奉仕で、それですぐどうこうというものではないでしょうが、ご需要家にしてみたらどんなに嬉しく、また頼りに思われることでしょう。そういうところに、商売をする者の真の喜びを感じ、尊さというものを自覚しなければならないと思うのです。

お得意を広げるには  
自分の店のお得意さんが、他の人に「自分はいつもあの店で買うのだが非常に親切だ。サービスも行き届いているので感心している」と話されたとしたら、その人も「君がそう言うのなら間違いないだろう。私もその店に行ってみよう」ということになりましょう。その結果、お店としては、みずから求めずして、お得意さんを一人増やす道が開けるということになるわけです。
そうしたことを考えてみますと、日ごろ商売をしていく上で、お得意さんを増やす努力を重ねることはもちろん大切ですが、現在のお得意さんを大事に守っていくことも、それに劣らず大切なことではないかと思うのです。

呼びがける  
自分が商売をしていて“これは良い品物だ。使えばほんとうに便利だ”というものをみつけたら確固とした信念を持って、お客さんに力強く呼びかけ、訴えるということが大事です。そういう呼びかけをするならば、お客さんもおのずとその熱意にほだされ、一度使ってみようかということになる。その結果、非常に喜ばれ、“なかなか熱心だ”ということで信頼が集まり、自然商売も繁昌していくことになります。
要はそういう呼びかけを喜びの気持を持って行なうこと、そこにこそお客さんにも喜ばれ、世のため人のためになる真の商売を成功させる一つの大きなカギがあるのではないでしようか。

うまくて、早くて、親切  
私がでっち奉公をしていたころ、楽しみの一つはうどんを食べることだった。その当時は、子ども心にも「あのお店のうどんはおいしいし、すうどん一杯のお客でも大切にしてくれる」と感じ、ある一軒の店ばかりに通ったものである。そのうどん屋は、うまくて、親切で、そして早く作ってくれた。
現代における商売、企業のコツもこのうどん屋さんのやっていたことと何一つ変わらない。りっぱな商品を早くお届けし、親切丁寧に使用法を説明する─―こうした心がけで商売をするならば、私は必ずそのお店は成功すると思う。またそういうお店が成功しなかったら不思議である。
 


   先義後利(せんぎこうり)



道義を優先させ、利益を後回しにすること。義は人として当然あるべき道、利は利益。義を先にして利を後にすと訓読。

孫正義
最も重要なのは1番目が志と理念、2番目がビジョン、3番目が戦略です。

安岡正篤
信念と気節
世をあげて利を競うに忙しい。 しかし各自の利害は、いつか、どこかで、必ず衝突する。 これを解決するものはやはり正義である。 正義はどうして決まるか。 利害関係の外に立つ、良心と達識とを持つ人々の、明察と公論による。 正義は往々自己の不利に見えるところが少なくない。 しかし結局、正義が真の利益である。 自ら信ずる正義の為に、不利はおろか、時には死をも辞せぬことが、人間の貴い道徳であり、権威である。 この信念と気節とが、一切の混迷を救って、国民の新運命を開く鍵である。 この信念と気節ある人々が国民の指導者に輩出するほか、日本を救う道はない。

礼と義
総て生きとし生けるものは皆体を具えている。 すなわち全体的存在なのであって、部分を雑然と集めたものではない。無数の部分から成り立っている全体である。 この全体と部分、部分と部分との間柄が美しく調和している状態を「礼」という。私共の内臓の諸器官、胃とか腸とか、肺心臓というものが相依り相待って間然するところのない健康は、我々の体内での礼である。 そこで、自分にしろ、家にしろ、国家にせよ、全体を構成する部分がその分本来の立場に於いて、或いは他の部分に対して、如何に為すべきやを問い出退することを「義」という。義は宜なりといわれる所以である。

松下幸之助
企業は社会の公器  
一般に、企業の目的は利益の追求にあると言われる。たしかに利益は健全な事業経営を行なう上で欠かすことができない。しかし、それ自体が究極の目的かというと、そうではない。根本はその事業を通じて共同生活の向上をはかることであって、その根本の使命を遂行していく上で利益が大切になってくるのである。
そういう意味で、事業経営は本質的には私の事ではなく、公事であり、企業は社会の公器なのである。だから、たとえ個人の企業であろうと、私の立場で考えるのでなく、常に共同生活にプラスになるかマイナスになるかという観点からものを考え、判断しなければならないと思うのである。

後藤静香
着眼
若人の心をみがけ/村が栄える/自己の心を養え/家が治まる/得意をだいじにせよ/店が繁昌する/損をする気で働け/ふしぎにもうかる/愛することだけを考えよ/愛されすぎる仕合せをさとる

吉田松陰
●夫れ重きを以て任と為す者、才を以て恃(たのみ)と為すに足らず。知を以て 恃と為すに足らず。必ずや志を以て気を率い、黽勉事(びんべんこと)に従いて 而る後可なり
■重要な仕事をする者は、才能を頼りとするようではだめである。知識を頼りと するのもよくない。必ず、何のためにやるかという志を考え、気持ちを奮い立たせ、仕事に励むことで達成できるのである。

●君子は何事に臨みても理(り)に合うか合わぬかと考えて、然る後(のち)是れを行う。小人は何事に臨みても利(り)になるかならぬかと考えて、然る後是れを行う。故に君子となること難(かた)からず。 
■君子は、どのような事態に際しても、道理に合っているかどうかを考え、その後で行動する。小人は、どのような事態に際しても、利益になるかどうかを考えて、その後で行動する。ゆえに、君子になることは難しいことではない。
 



主な引用の出典
著 作 者 書 名 出 版 社  
坂村真民 『坂村真民一日一言』 人生の詩、一念の詩 致知出版社
安岡正篤 『安岡正篤一日一言』 心を養い、生を養う 致知出版社
森信三 『修身教授録 一日一言』 
『森信三・魂の言葉』 二度とない人生を生き抜くための365話 
致知出版社
PHP研究所
松下幸之助 『松下幸之助「一日一話」』 仕事の知恵 人生の知恵 PHP研究所
後藤静香 『権威』 珠玉の言葉があなたを変える 善本社
中村天風 『中村天風一日一話』 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話 財団法人天風会
吉田松陰 『吉田松陰一日一言』 魂を鼓舞する感奮語録 致知出版社
二宮尊徳 『二宮尊徳一日一言』 心を耕し、生を拓く 致知出版社
佐藤一斎 『佐藤一斎一日一言』 「言志録」を読む 致知出版社
洪自誠 『菜根譚』


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